気仙沼から最高のクラフトビールを世界へと発信するBTBの秘密とは?
醸造所へ潜入!
シリーズのご紹介
名入れスルーのお客様である全国各地のブルワリーを名入れスルー社員が訪問し、なかなか見ることができない現場と、ブルワリーで働く方の言葉をご紹介していきます。
今回は宮城県気仙沼市を拠点とするBLACK TIDE BREWINGさまにご協力いただきブルワリー内、そしてタップルームをご案内いただきました。
プロフィール
<案内してくれた方>
BLACK TIDE BREWING
営業兼EC管理(ブルワーとしても修行開始!)
滝真弥さん
東京都日野市出身。前職はスイミングインストラクター。現役アスリートのような身のこなしと爽やかさのナイスガイ。BLACK TIDE BREWINGのビールと想いに共感し、募集がない時期に電話し入社!営業しながら、2024年よりブルワーとしての修行も開始するエース人材!!
<案内してくれた方>
BLACK TIDE BREWING
営業兼EC管理(ブルワーとしても修行開始!)
滝真弥さん
東京都日野市出身。前職はスイミングインストラクター。現役アスリートのような身のこなしと爽やかさのナイスガイ。BLACK TIDE BREWINGのビールと想いに共感し、募集がない時期に電話し入社!営業しながら、2024年よりブルワーとしての修行も開始するエース人材!!
BLACK TIDE BREWINGとは?
2011年3月11日に起きた東日本大震災後、気仙沼の復旧・復興の一助にという想いで立ち上がったブルワリー。BLACK TIDEとは日本近海を流れる代表的でとても力強い暖流である「黒潮」のこと。
滝さん 働くスタッフは気仙沼の街の魅力や人に惹かれて気仙沼出身ではない人たちが多く集まり復興に携わりたい、後押しをしたいという想いのある人たちがクラフトビールで気仙沼を盛り上げられたらと活動をしている。
スローガンは
「気仙沼から世界へ」
滝さん 僕たちBLACK TIDE BREWINGのスローガンの中で『気仙沼から世界へ』という言葉があります。気仙沼から世界に美味しいビールを届けて、気仙沼ってこんなに素晴らしい場所なんだってことを伝えたい。
滝さん、アツい!中に入る前から気持ちが高ぶってきます!!
いざ、BTB醸造所の中に潜入!
ビール作りの一歩目「ミリング」とは?
滝さん こちらは、ビールの原材料となる麦芽(モルト)を粉砕する部屋です。この機械に麦芽を入れて「ミリング」をして、白いパイプを通って一度タンクで保存します。
※ミリングとは麦芽(モルト)を砕くこと。ミリングすると麦芽からでんぷんが抽出しやすくなるそうです。
Q.一度保存するのが重要なのですか?
滝さん 当日でも良いのですが、ミリングには時間がかかるので、だいたい仕込みの前日に行っておくことが多いです。
ミリングする機械/ミリング後の麦芽(モルト)はタンクで保管される
ミリングする機械
ミリング後の麦芽(モルト)はこのタンクで保管される
いよいよビールの仕込みが始まる!
滝さん 仕込みを開始するときに、ミリングした麦芽(モルト)をまたパイプを通して移動させます。
こちらに2つタンクがあるのですが、右のタンクで糖化工程を行い左のタンクで煮沸し、一度熱殺菌します。
滝さん 右のタンクの中を見てみましょう。先ほどミリングした麦芽を右のタンクに移動させながらお湯を一緒に入れてあげます。お米で考えるとおかゆみたいな感じになります。ビール造りでは「糖化」という工程となり、麦汁という麦の甘い汁を出していきます。麦芽は殻もそのままこのタンクに入れているのですが、なぜ殻も入れるかというと殻がフィルターになってくれるからのなのです。
Q.麦芽の殻がフィルターになるのですか?
滝さん そうです。麦芽の殻が濾過層としてフィルターになってくれるので、麦芽の殻の下にはきれいな麦汁が落ちていきます。そのきれいな麦汁を左のタンクに下から引いて移動させてあげます。
これが麦汁です。是非飲んでみてください!
おぉ!甘い!想像よりもすごくあまーい!!
Q.糖度は高ければ高いほど、甘ければ甘いほど良いのですか?
滝さん 糖度は高ければ良いというわけではありません。酵母が甘い糖分を食べてアルコールを作っていくので、糖度が高すぎるとアルコールが強くなります。ビールのレシピとして設定した糖度を目指して糖化させていきます。
麦汁が通っていく道にライトが当たっています
滝さん 麦汁が通っていく道にライトを当ててきれいな麦汁が流れているかを確認しています。
Q.この部分では何を確認しているのですか?
滝さん ハンドルで流量を調整しています。
勢いよく流しすぎてしまうと、せっかくできた濾過層が崩れてしまうのです。ボコっと崩れてしまうと麦芽の殻やカスも一緒に流れて行ってしまうので、この部分の調整がとても大事です。流量を調整しながらライトを当てて麦汁の流れを確認して「不純物が入っていないよね」と確認しながら移動させています。
なるほど〜。せっかくの濾過層を活かしながら隣のタンクへと移動させるための重要な確認工程なのですね。
麦汁の流れるスピードを調整するハンドル
ミリングされた麦芽(モルト)が糖化用タンクに移動し麦汁を作る。
その後、きれいな麦汁を煮沸用タンクに移動させ熱殺菌を行います。
ビール作りは、各工程毎にタンクが変わるので、管を通してビールの元を移動させていくのですね。
滝さん 煮沸後「ワールプール」と言って、麦芽のかすやホップのかすなど不純物を遠心力で集めます。麦汁の流れを作ってあげると、不純物が真ん中に集まって外側の麦汁はきれいになるんです。不純物がない状態にして、発酵タンクに移します。
壮観な発酵タンクは
2000Lサイズが7つも!!
2000Lのタンク。実物を見るとかなり大きく感じます。
滝さん 不純物がない状態になった麦汁を発酵タンクに移動させて、発酵工程に移ります。以前は1000Lのタンクだったのですが、醸造量を増やすため2000Lに入れ替えました。発酵完了後、ラガーとかだとブライトビアタンクに移してきれいなビアカラーになるまで貯蔵します。
※ラガーとはドイツ語の「貯蔵」を意味する言葉。貯蔵工程で二次発酵を行うビールのスタイルをラガーと呼ぶ。
Q.このタンクはどの国で作られたものですか?
滝さん 中国製のタンクです。機械の基盤などが調子が悪い場合は自分たちでメンテナンスをします。
BLACK TIDEのビールは300種類以上?!
いままで営業だった滝さんですが、24年5月よりブルワーとしてのトレーニングを開始しているそうです。
ここで一度、BLACK TIDEさんのビールについて聞いてみます。
Q.滝さんはどんなビールが作りたいんですか?
滝さん BLACK TIDEではじめて飲んだビールがラガーでした。いままで色々なビールを飲んだのですが個人的にはラガーが一番美味しいなと思っているので、美味しいラガーを作れたらいいなぁと思っています。
Q.滝さんは元々ビールが好きだったのですか?
滝さん いやぁ、最初はビールって「苦い」っていう印象だったんですよ。でも、BTBきっかけでクラフトビールに出会って、いろんなフルーツやホップを使ってフルーティーなマンゴーみたいな香りがしたりとかトロピカル系の香りがするビールがあるってことを知って「あ、ビールって、キリっとしたドライな感じのビールだけじゃなくて、こんなにフレーバーがあるんだ」って面白さに気が付き、どんどんのめり込んでいきました。
なるほど〜、ビールの面白さに気が付いたのですね。
滝さん そうなんですよ。ビールってパッと見同じに見えるんですけど、中に入れるものでどんどん変わっていくんですね。まず、仕込みの段階だと麦芽は1種類で作っているわけではなくて、大麦麦芽とオーツ麦芽と小麦とか。複数の素材を混ぜて、更に配合も変えて全部バラバラになっているんです。なので、同じビールのスタイルでも麦芽やホップの種類を変えながら何百通りも作り変えることができるんですよね。
Q.クラフトビールの個性はそうやって生まれていくんですね。いまBTBさんでは何種類くらいのビールがあるのですか?
滝さん 24年6月で醸造開始4周年になるんですけど、300種類以上作ってきました。基本的に毎週2種類ずつ新作をリリースしているので、BTBはどんどん新しいビールが出てくるブルワリーなんです。
300種類以上ですか!すごいですね。
毎週2種類ということは、年間52週だからざっと計算しても年間100種類増えていくのですね。
滝さん そうですね。バンバン新作を作り「いろいろなフレーバーがある」というクラフトビールの魅力を伝えるのがBLACK TIDEのやり方ですね。ヘッドブルワーのジェームスがレシピを考え、クオリティが高く新しいビールを届けられるのがBTBなのかなと。
見学当日もジェームスさんとブルワーの畠山さんが会話しながら仕込みをしていました。
BTBさんの新しいチャレンジは、こういった日々のコミュニケーションで生まれていくのですね。
ブルワリー見学はまだまだ続きますが、前編はここまで!
続きは後編でタップルームの裏側や素材の貯蔵庫などをご紹介します
▶ タップルーム編
今回見学をさせていただいたのは
こちらのブルワリー
BLACK TIDE BREWING 様
気仙沼から世界へと毎週2つずつ新作クラフトビールを発信する勢いのあるブルワリーです。
BTBのビールが飲みたい!と思った方はこちらをチェック
気仙沼から世界へと毎週2つずつ新作クラフトビールを発信する勢いのあるブルワリーです。
BTBのビールが飲みたい!と思った方はこちらをチェック
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